- - やりたいこと
- - コアループが近いゲームタイトル
- - プレイシナリオと問題点
- - プレーヤーが獲得したものを奪わないために
- - パーティーメンバーが戦死してしまったら
- - 装備を壊すというリスク
- - タワーディフェンスの側面における戦略性
- - 後半には想定外のイベントが発生するよにすべき
- - これらをふまえて
目次
やりたいこと
舞台がRPGテイストなリアルタイムストラテジー「村を作って資源を集め、パーティーを強化しモンスターと戦う」といったゲームを作ろうとしており、用意できるコンテンツ量次第では箱庭ゲーム(ミニスケープ)に寄せたいと思ってます。
コアループが近いゲームタイトル
- 昔からあるシリーズ :Age of Empires, The Settlers
- Steamで流行りコンシューマーに移植されたタイトル:They Are Billions, Frostpunk
- インディーゲームで流行ったタイトル:RimWorld
一番近いものはThey Are Billionsです。
RimWorldはUnityで作られていて(Showcaseファンの方々がModを作れるように提供されおり、逆コンパイルすればソースコードを読むことができます。RimWorld EULA
プレイシナリオと問題点
- それぞれ役割のある建物を配置し資源(木や石など)を集める
- 鍛冶屋に装備を作らせる
- 酒場でヘッドハンティングをしてパーティーを増やす
- 鍛冶屋がより強い装備を作れるように研究施設を設けスキルツリーをアンロックしていく
- ダンジョンに狩りに行ってアイテムを獲得する(パーティーメンバーを必要があれば動かす程度のオート攻撃)
1ゲームにつき数回ほどモンスターと戦うとして、序盤で強い装備を揃えてしまったら後はやることがありません。資源が溜まっていくさまとモンスターとの戦闘をただ眺めます。敵が強くなってきたらパーティーを増やすだけ。
単に序盤に強い装備が作れないようにするだけのように感じますが、レア度の高い資源を何種類も設けて複雑にしたり、鍛冶屋に頼んだ装備がいつまでたっても作られないのは、最終のバランス調整にとどめたいと思っています。そのためすでに獲得した強さを減らしたり、戦略を練り直すきっかけを用意する必要があります。
プレーヤーが獲得したものを奪わないために
一番イメージの近かったThey Are Billionsでは、ゾンビに襲われるというサバイバルを打ち出すことで奪うことを自然に表現しています。スチームパンクによるものものしいビジュアルからも緊張感・サバイバル感はリアルに感じられます。実際の戦闘は(自分から攻撃を仕掛けられもしますがメインは)タワーディフェンスなので、防壁は壊れ・兵士は死に・コロニスト(ここでは労働者)はゾンビに感染し敵となります。ゾンビは群衆なので一瞬でコロニーは壊滅し負けとなります。難易度によりますが軽症で済むのは序盤の侵入に気づかなかったケースくらいです。開発元も独立ディベロッパーということもありチャレンジ精神にあふれているのですが、それでいて世界観やシステムがよくまとまっているなぁと感心するばかりです。
さて、私が作るゲームに戻って考えます。強さを奪おうとしても敗北時以外に取ってしまっては、プレーヤーに対し悪い意味でのストレスでしかありません。どうしても奪う必要がある事柄に対しては救済措置が必要になります。
パーティーメンバーが戦死してしまったら
教会にて「しんでしまうとはなにごとだ!」と復活させてあげるべきでしょうか。RPGのようにプレーヤーが勇者となる視点で描かれるパーティーなら復活させるべきです。まだストーリーは考えていなかったのでプレーヤーがパーティーの一員なのか、村長など他の立場なのかは決めていません。ここは奪ってしまうよりもGoldや時間を対価に復活させてあげたほうが良さそうです。
装備を壊すというリスク
やることがなくなる大きな原因は「より強い装備」の存在です。これは「装備に耐久値を持たせ壊す」ことで解決するように思えますが、装備=強さになっている以上、プレーヤーは奪われたと感じることでしょう。(モンハンの「切れ味」はとても良い解決策ですね。) ここも奪ってしまうよりもGoldや資源を対価に修復させてあげたほうが良さそうです。武器を作り終えた鍛冶屋がちょうど暇になっていることでしょうし。
タワーディフェンスの側面における戦略性
これでもやることがなくなる問題はまだ解決せず、このままでは(仮にゲームバランスが完璧だったとしても)戦略そのものが存在しないのにストラテジーゲームと名乗るクソゲーになってしまいます。
ここではThey Are Billionsの箱庭なタワーディフェンスにおける戦略性を考察してみます。 より多くの資源を集めるために建物を増やしコロニーが拡大すると、(ミニマップでわかるとはいえ)ゾンビが画面外からしれっと侵入しコロニストが感染してしまいます。
これに対し下記の対策があります
- 兵士を特定の範囲で巡回させる
- 防衛施設としての罠や防壁で経路を遮断する
- 特定の範囲を自動攻撃してくれるバリスタなどと防壁を組み合わせる
- タナトスといったより強い兵士を用意するために、さらに領土を広げ油田から石油をとる
これらにはゾンビを倒す攻撃面の強化と、侵入を防ぐ防御的な側面をバランス良くあげていく必要がありとても戦略的です。 他にもマップは最初隠されているのでレンジャーによって探索する必要があったり、サバイバルモードではマップが自動生成になっているので採取できる資源によって異なったプレイが求められます。
後半には想定外のイベントが発生するよにすべき
ちょうど良い資料が見つかりました。
内政を速く上手にできたプレーヤーに対しここでは2つの問題点が指摘されています。
- 戦略を調整する必要がなくなり、そこに魅力的な挑戦は残っていない
- 簡単な変化では勝利が揺らがない。敵が攻めてくるといったイベントなどによる環境変化の不確実性が本質的に機能しなくなる
2点目の具体例は、「すでに食料が50もある場合2つ消費するイベントがあっても、些細な変化なのでそれに対して戦略を変更する必要がない」などがあげられていました。
次はあまりイメージができなかったのですが、戦略パターンの数と不確実性は両立しないのでバランスが必要とのこと。
プレーヤーの行動の種類が多いほどそれに対して様々な結果がついてくるので、より多くの戦略パターンが増えますが、それは不確実性が少ないことを意味します。戦略的なプレーを生み出す一方で、プレーヤーには戦略を立て続ける必要がある程の不確実性を与える。」
解決案としては
- 非合理であっても変わったプレーをするAIを少し入れる
- 初めは一部の情報を隠し、後に明らかになった時には戦略の練り直しが必要になる
後半にはランダムなイベントの危険性も話されていました。
予測不可能なイベントはとても簡単に勝敗といった結果を変えることができます。プレーヤーは繊細なバランスをもって資源を集めているが、それらを完全に破壊することができてしまう。プレーヤーが戦略を練り直す力がある場合は、些細な後退によって先に進むでしょう。それは良いことですが、多くの場合すべての作業が取り消されることを意味します。プレーヤーはリセットを強いられ、おそらくゲームを辞めてしまうでしょう。
「ランダム性を用いるならボーナスなどポジティブなイベントを。ネガティブなイベントには救済やボーナスといった柔軟性を十分に考慮してください。」とのことでした。
これらをふまえて
では、私が作るゲームに戻って考えます。戦闘はタワーディフェンス要素よりもダンジョンに派遣し討伐するイメージでした。そうすると(戦闘が操作しなくても勝てる場合)より顕著にやることがなくなってしまいますし、建物やマップから発生する戦略も皆無になってしまいます。
追加のプレイシナリオ
- マップにはプレーヤーを含めた4つの村がある
- 最初はマップ周辺が見えないので探索が必要
- 他の村の勢力がわからないので密偵を向かわせる
- モンスター討伐よりも先に他の村に攻撃を仕掛けて資源を略奪する
ぱっと思い浮かぶのはこんな感じでしょうか。やはり防壁や罠なども必要になりそうですね。あまり軍事的な戦争のイメージにはしたくなかったので他の村と協力して、モンスターを倒す流れに切り替えても良さそうです。こういった適切なイベントを設定するには「RPG要素の掘り下げ」も必要になりそうです。
最初から要素を増やしすぎると問題が見えなくなるので、一旦保留にして考え続けたいと思います。